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【高層ビルが乱立するアジア(その3)】フィリピンの高層ビルは本当に大丈夫なの。。。気になる耐震性の評価は如何に?

 

 

 

【マニラ首都圏での地震による中高層ビルの被害想定】

『マニラ首都圏地震防災対策計画調査』に関する報告書が平成16年度に作成されている。これは日本政府がフィリピンからの依頼を受けて作成したものである。

 

これより、震度階がⅧ及びⅨとなる場合の中高層ビルに関する被害想定結果の概要を示すと次のとおりとなる。

 

〇震度階と震度、加速度について

震度階 Shaking      震度  加速度
Ⅰ  Scarcely Perceptible  0   0.8以下
Ⅱ   Slightly Felt      1   0.8-2.5
Ⅲ   Weak       2   2.5-8.0
Ⅳ  Moderately Strong  2-3 2.5-8.0-25
Ⅴ   Strong         3   8.0-25
Ⅵ   Very Strong     4   25-80
Ⅶ   Destructive     4   25-80
Ⅷ Very Destructive    5-6   80-250-400
Ⅸ   Devastating     7    400以上
Ⅹ   Completely Devastating   7   400以上
出典)

PHIVOLCS Earthquake Intensity Scale

気象庁震度階級 - Wikipedia

http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/11763729_01.pdf

 

〇首都圏での震度階が(Ⅸ)となる場合の被害想定結果

想定地震規模:Ms7.2

震源からの距離:12.5km

震度階:Ⅸ(日本の震度7相当)

 

被害想定結果(Ⅸ) 全壊・倒壊 一部損壊

10-30階建て  11%    27%

30-60階建て   2%    12%

 

〇首都圏での震度階が(Ⅷ)となる場合の被害想定結果

想定地震規模:Ms6.5

震源からの距離:13.1km

震度階:Ⅷ(日本の震度6強相当)

 

被害想定結果(Ⅷ)全壊・倒壊     一部損壊 

10-30階建て   2%     9%

30-60階建て   0%     1%

 

f:id:mabuhayhappily:20190826160609j:plain

 

これはセブ市内に建てられた55階建のコンドミニアムです。これぞスカイスクレーパーと言う感じがしますが、どうでしょうか?

 

 

【最近の地震事例に基づくに被害想定の検証】 

〇地震事例1(2019年 4月22日、マニラから75km、M6.1)

★報道等による被災状況

・2019年 4月22日、マニラの北側75kmにあるサンフェルナンドでM6.1の地震発生。

 

<マニラ市街での中高層ビルにて>

・高層ビル(Anchor Land)屋上にあるプールの水が流れ出す。

・地震による揺れが大きく、高層ビルから建物の外に避難する人が多い。

地震による高層ビル(Anchor Land)本体への被害はない。

 

<マカティ市街の中高層ビルにて>

22階建(地上70m)のオフィスビルでの被災経験によれば、ゆっりと左右に3分くらい揺れたものの、建物自体の被害はなかった。

・エレベーターが止まり復旧まで1時間30分かかった。

 

<パンパンガ州の被災状況について>

・Poracでは、4階建てのスーパーマーケットが倒壊し、買い物客が被災。

・また、市内の古い教会が倒壊。

・フィリピンの地方都市では、耐震構造になっていない商業施設や橋梁が多い。

・上述のスーパーマーケット、勿論、教会も耐震構造ではない。

・Guaguaでは、地割れにより300軒以上の住宅に被害あり。

 

★中高層ビルの被災事例に基づく耐震性及び安全性

既往地震の事例(添付資料参照)の結果から、今回地震によるマニラ市街地での加速度を推定すると30ガル程度となります。

また、前出の震度階等対比表より震度は4、震度階は(Ⅵ)相当になります。

 

『気象庁震度階級関連解説表』によれば、今回対象とする中高層ビルは鉄筋コンクリート構造物に該当するため、震度5強位から変状が徐々に見られるようになってきます。

 

今回推定したマニラ市内での推定震度は4となり、気象庁の解説表では中高層ビルでの被害は発生しないレベルの地震と考えられます。

 

では実際には、マニラ市内の中高層ビルでの被災状況はどうだったのか報道内容から見ていきたいと思います。

 

マニラ市内では、高層ビルであるAnchor Landが被災していますが、大きな揺れは確認できたものの、建物本体では全壊・倒壊はもちろん一部損壊も認められていません。

 

因みに、一部損壊とは、建物本体に構造上の被害は無いものの、壁面に亀裂や若干の剥落が見られる程度の被害を言います。

 

今回は震度4(震度階Ⅵ)の地震と言うことから、日本政府による被害想定は地震の規模が大きくてその妥当性を検証するまでにはいきませんでしたが、今回の地震から中高層ビルの耐震性、安全性は少なくとも震度4(震度階Ⅵ)までの範囲において確認できたことになります。

 

     既往地震1 既往地震2 今回地震

発生日  19740219    18620304 20190422

地震規模 M6.1     M6.1   M6.1

震源距離 139km     113km   75km

加速度     14.3      21.2   (31.3)

震度     3      3      

震度階    Ⅳ       Ⅴ    

 

〇 地震事例2(2013年10月15日、セブから約60km、M7.1)

★報道等による被災状況

・2013年10月15日、ボホール島のカルメン市でM7.1の地震が発生。

 

<セブ市街の中高層ビルについて>

・マクタン島にあるホテルでは、ガタガタと揺れたものの施設そのものの被害はなし。

セブ市内の中高層ビルに関する全壊・倒壊、一部損壊に関する報道は見当たらない。

 

<セブ市内の低層ビル、一般家屋について>

・セブ市内では、いくつかの大きな建物(10階建てくらいに見える)で壁が剥がれ落ちる状況が確認された。

・セブ市内の民家にて、壁の亀裂、外壁の剥がれ、天井パネルの落下等が確認された。

・セブ市内の古い教会の多くで、全壊・倒壊が見られた。

 

<ボホール島にて>

・古い教会の多くで全壊・倒壊が見られた。

・鉄筋コンクリート2階建ての市役所、個人住宅等が全壊・倒壊。

・チョコレートヒルが崩壊。

 

★中高層ビルの被災事例に基づく耐震性及び安全性

既往地震の事例(添付資料参照)の結果から、今回地震によるセブ市街地での加速度を推定すると116ガル程度となります。

また、前出の震度階等対比表より震度は5弱、震度階は(Ⅷ)相当になります。

 

『気象庁震度階級関連解説表』によれば、今回対象とする中高層ビルは鉄筋コンクリート構造物に該当するため、震度5強位から変状が徐々に見られるようになってきます。

 

 

では実際には、セブ市内の中高層ビルでの被災状況はどうだったのか見ていきたいと思います。

 

セブ市内にある中高層ビルでの被災に関する報道はありませんでしたが、低層の大きな建物で壁が剥がれ落ちるなどの一部損壊が認められています。

 

今回は震度5弱(震度階Ⅷ)相当の地震と言うことから、日本政府による被害想定は地震の規模が大きくてその妥当性を検証するまでにはいきませんでしたが、今回の地震から少なくとも震度5弱(震度階Ⅷ)までの範囲において、セブ市街の中高層ビルの耐震性、安全性は確認できたことになります。

 

低層の大型ビルで壁が剥落するなどの被害がいくつかのビルで見られていたという報告もありましたので、現象から判断すると震度5強と考えても良いのかも知れません。

 

従って今回の地震から、セブ市内にある中高層ビルの耐震性は震度5強程度までは確保されていることが確認できたことになります。

 

     今回地震   既往地震3  既往地震4 

発生日  20131015 19941114    19700412

地震規模 M7.1      M7.1    M7.0

震源距離 60km       119km    124km

加速度    (116)         44.1     38.0

震度   5強      4     4 

震度階          Ⅵ     Ⅵ

 

〇既往地震の参考事例と気象庁震度階級関連解説表

震度推定に使用した既往の地震事例を以下に示します。

f:id:mabuhayhappily:20190825130830j:plain

出典)『フィリピン国マニラ首都圏地震防災対策計画調査最終報告書』より

http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/11763729_01.pdf

 

震度毎の被害の程度を示した気象庁震度階級関連解説表を以下に示します。

f:id:mabuhayhappily:20190826045925j:plain
f:id:mabuhayhappily:20190826045942j:plain

 

【フィリピンの高層ビルは本当に大丈夫なの。。気になる耐震性の評価は如何に?】

現在、フィリピン国内では巨大なビルをいたるところで見かけるようになりましたが、『フィリピンの高層ビルは本当に大丈夫なの?』という疑問を解消すべく、その耐震性は如何に、安全性はどの程度確保されているのか等について検討して参りました。

 

〇日本政府による被害想定

・中高層ビルの一部損壊は、震度6強程度から発生する。

・中高層ビルの全壊・倒壊は、震度7程度で発生する。

 

〇最近の地震に基づく中高層ビルの耐震性、安全性の評価

・2019年 4月22日、マニラ近郊で発生した地震から、震度4程度までの中高層ビルの耐震性、安全性が確認できました。

・2013年10月15日、ボホール島で発生した地震からは、震度5強程度までの中高層ビルの耐震性、安全性が確認できました。

 

今回ボホール島で発生した地震は、1600年代まで記録を遡ってもこれ以上大きな地震の記録は見つからないことから、2013年の地震の際に、全壊・倒壊が認められなかったセブ市内にある中高層ビルについては、或いはその後も同様の基準で建てられたものについては耐震性、安全性は十分に確保されているものと考えることが出来ます。

 

日本政府が想定している地震の規模(震度7)はマニラであり、セブにおいては先日発生したボホール島の地震に対応できていれば、安全性には問題ないものと考えられます。過去の記録を400年以上遡って見てもこれ以上の規模の地震が発生した記録が無いと言うことからの判断になります。

 

ダバオについては、最近マニラやセブのように巨大なビルが建ち始めたばかりであり、その間に発生した地震による被災事例がないため、今回は中高層ビルの評価はできませんでした。

 

しかし、ダバオについては、いずれの中高層ビルも最新の基準が適用されていること、フィリピンでも信頼のあるデベロッパーが手掛けていること等から、すくなくともセブと同等以上の耐震性、安全性が確保できているものと期待しています。

 

www.mabuhayhappily.com

  

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今回は、ここで終わりになります。ありがとうございました。 

Thank you so much. See you next time. Good luck.

 

また、災害に対しては常日頃から準備しておくことも大事です。また、東京で被災することを考えると、救援物資が届くまでに1週間くらいは優にかかるのではないかと思います。その間は自力で生き抜く必要がありますが、今回は、いざという時のために便利な携帯トイレを紹介させていただきます。高分子吸収剤が匂いも吸収する優れものです。

 

 

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