【外国人観光客からの改善依頼(その1)】セブ市街を散歩してみて私が気付いたこと、感じたこと!
【セブ市街を散歩してみて私が気付いたこと、感じたこと!】
フィリピン観光省の発表によれば、2018年にフィリピンを訪れた日本人の数は63万人にも達するそうである。一月当りにすると約5万人、東京ドームを超満員にした時の人数に相当します。
こんなにも多くの方が来られていますが、皆さんどこに行かれているのでしょうか?
セブで言えばアヤラモールとかでたまに見かけることはありますが、不思議なことにそれ以外ではまず見かけることはありません。
フィリピンに来られる方は、海辺の高級リゾートに宿泊し、昼間は綺麗な海でダイビングやアイランドホッピングを満喫して過ごし、帰り際にアヤラモールでお土産を買うパターンが多いのではないかと思います。
それに対して私の行動パターンは市内の散策がメイン、食事はカレンデリアかストリートフード、移動も徒歩かジプニーなので、日本からの旅行者とは接点すらなく、そもそも会う訳がないのかも知れません。
そんな私が、セブの街の中を歩いていて伝えたいことは、これまでに良いことはたくさん投稿してきたので、今回は少し悪い部分にも着目してお伝えしたいと考えてます。
【ゴミの不法投棄】
セブが好きなのであまり言いたくはないのですが、やはり気になるのはゴミが目立つことです、河川や空き地、道路際に大量に投棄されていることもあります。特に目を見張るのが河川内に投棄されたゴミです。
その行き先が海であることを考えると、海洋プラスチックごみ問題の原因の一端を観てしまったような後ろめたい感じで思わず目をそらしてしまいます。
綺麗な海を観光資源としている国としてはあってはならないことだと、素人の私でも考えますが、フィリピン国民の方々はどう考えているのか不思議でなりません。
【排気ガス】
セブ市内の渋滞も年々ひどくなっていると言う話を良く耳にします。
急激な都市化、人口集中に道路整備が追い付いていけないのが原因だと思われます。
私は歩くのが好きなこともあり、ジプニーから降りて渋滞の中歩くことも良くあります。道路を歩きながら感じることが、これもフィリピンの方には言いづらいのですが、走っている車、特にジプニーは年代物の車が殆んどで、最近は日本では珍しくなった真っ黒い排気ガスをまき散らしながら走っていることです。
もし日本で車検を受けるとしたら、どの車も不合格になるのではないかとさえ感じてしまいます。フィリピンにも車検とか排ガス規制とかあるとは思うのですが。。。
実は、私は丈夫な方なので排ガスとか気になるどころか、その逆で、昔の日本を思い出すと言うか、昭和の香りがして懐かしくさえ感じてしまいます。
先程のゴミ問題も、排気ガスも、何十年も前に日本人が経験してきたものばかりです。
【下水の匂い】
私だけでしょうか?
セブの市街地を歩いていると、時々どぶ川のあの嫌な匂いがする時があります。
その都度、この街の下水はどこで処理されているのか、と何度となく考えたことがあります。これだけの大きな街なので、どこかにあるはずなのですが、今まで一度も見たことがありませんでした。
そう言えばセブのトイレでは、日本と異なり使用後のトイレットペーパーを流すことが出来ません。管が細くて紙が詰まると言うことみたいですが、新しく建てられたビルでも同様に流せないと言うことは不思議であり、問題はビルから流れ出る管の先にあると考えることが出来ます。
【下水処理について】
ではその問題とは何でしょうか?
今回はこの問題を深堀してみたいと思います。
〇下水道普及率
フィリピンの2017年の下水道普及率は3.2%である。
東南アジアの中でも先行して経済発展してきたシンガポールは100%、日本は79.7%、マレーシアは76.2%、台湾は52.5%とは普及率が大きく離されている。
フィリピンでも同様に先行して開発が進んでいるマニラ周辺の一部の地域で整備が行われているくらいで、フィリピンの殆んどの地域では未だに未整備の状況にあるものと考えられます。
〇下水道処理施設の現況
2015年度の経産省報告書では、セブ市の下水処理施設の現状が報告されている。
https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2016fy/000921.pdf
これによると、セブ市には下水管渠や下水処理場はほとんどないそうである。
このためフィリピンやセブ市では、住宅を始めホテル・工場・スーパー等の大規模施設には生活排水処理設備の設置が義務付けられているが、実際に設置されているのは全体の30%に留まるそうである。また、バランガイと言う地区の住宅ではトイレとセプティックタンクを設置しているのは42%に留まるそうである。
〇セブ市内の水質検査結果
2015年度のJICA報告書にて、セブ市内の下水処理の現況調査が行われている。
http://open_jicareport.jica.go.jp/pdf/12235503.pdf
これによれば、メトロセブ全域で下水処理は行われていないため、河川下流部で行われた水質観測によると、BODや大腸菌群数の基準値を遥かに超えた値を観測したそうである。
また、地下水観測からは、硝酸性窒素や、大腸菌の多くが井戸から検出されたとの報告があります。
前出のゴミ問題と同様に、海洋に基準値を大きく上回る汚染物質を垂れ流すと言うことは、綺麗な海を観光資源としている国としてはあってはならないことだと考えます。
外国人観光客の一人としても、早急に改善していただきたいと強く望みます。
〇セプティックタンクとは
一般家庭から出る生活排水を浄化する分散型汚水汚水処理技術のことで、開発途上国ではセプティックタンクが広く普及している。
非常に簡単な構造で、流入してきたものをこの中で沈殿し、汚泥と分離されたうわ水部分を放流するものである。なお、この放流水は再処理(土壌処理)が必要である。
【最後に】
最初にも記載しましたが、フィリピンの下水道普及率は非常に低く、また国が定めた大規模商業施設等への生活排水処理設備についても、実際に設置されているのは30%と非常に少ないのが現状である。
これはセブだけの問題ではなく、フィリピン全土の問題である。ゆくゆくは全国的に下水道も普及していくものと考えられますが、それまでの間は、既存のセプティックタンクの管理を徹底し、更に補助金を出すなどの支援により新たな設置数を増やすなど地道な努力が環境を守るためには必要になってくると思われます。
フィリピンにとって何よりも重要なものは、観光産業だと思います。その貴重な資源となる観光地の環境を守ることは最重要課題ではないかと思いますが、何故かフィリピンに住まわれている方々にとっては、そういう感覚が少ないような気がしてなりません。
高度経済成長の頃の日本を思い返せば、海も川も空気も汚し放題、公害で国民が苦しむようになるまで環境への配慮が全く欠けていたことを思うと、今のフィリピンの方も同じなのかも知れません。
がしかし、フィリピンの事とは言え、同じ過ちを犯すことのないよう、今後はフィリピン国民の一人として見守っていきたいと思います。
少なくとも河川への垂れ流し、ゴミの不法投棄、下水の嫌な匂いのない、観光客に、そして何よりもそこで暮らす市民の方にやさしい都市及び水辺の環境を築いていっていただきたいと切に望みます。
先日は、東京オリンピックのトライアスロン会場でも、基準値を超える大腸菌が検出され、選手達からは匂いがきつくてどうにかしてくださいと言う要望が出されたと言うニュースが流れていました。
日本の海は大丈夫だといつの間にか信じていましたが、まだまだ綺麗にはなっていないことを、一度汚してしまった海を基に戻すことの大変さを、改めて日本国民に知らしめてくれた良い知らせであったと思っています。
今回は、ここで終わりになります。ありがとうございました。
Thank you so much. See you next time. Good luck.
9月に入り秋の気配を感じるようになってまいりました。
と言うことで、秋の夜長を楽しむためのパーツをいくつか用意させていただきました。
まず、始めはタブレットタイプの第9世代電子書籍Kindle Oasisです。
2番目がタブレット用のブックスタンド、長時間の読書には必需品です。
最後が、秋の夜長にやっぱり楽しみたい一冊、深田恭子写真集 This Is Me です。
↓ ブログ村ランキングに参加しています。宜しければクリックして下さい。
#mabuhayhappily #フィリピン移住 #リタイヤ移住 #フィリピン環境 #ゴミ投棄
#排気ガス #下水処理